自営業、フリーランス必見!国民年金基金とは

1.国民年金基金とは

国民年金基金とは国民年金(老齢基礎年金)に上乗せする第一号被保険者のための公的な年金制度です。
今まで国民年金に上乗せして厚生年金や共済組合に加入している第2号被保険者と、国民年金だけにしか加入していない第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じていました。
この年金額の差を解消するための自営業者などの上乗せ年金が国民年金基金です。

2.加入できる人

加入できるのは国民年金の第1号被保険者です。

国民年金の第1号被保険者とは・・・自営業者とその家族、フリーランス、学生、フリーター、無職の方

残念ながら第2号被保険者(会社員、公務員)や第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている配偶者)の方は加入できません。

また第1号被保険者であっても次の方は加入できません。
・国民年金の保険料を免除している方
・農業者年金の被保険者

3. 国民年金基金の種類

国民年金基金には2つの種類があります。

1つ目は「全国国民年金基金」です。
すべての都道府県に設置されており、基金の地区内に住所があれば加入できます。

2つ目は「職能型国民年金基金」です。
各基金ごとに定められた事業または業務に従事している人が加入できます。
2019年現在では歯科医師国民年金基金、司法書士国民年金基金、日本弁護士国民年金基金の3つがあります。

2つの形態がありますが、それぞれの事業内容に違いはありません。
また加入できるのはどちらか一方となっていますので、加入者が選択することになります。

4.加入によるメリット

加入によるメリットは2つあります。

Ⅰ 確定給付であること

契約した時点で将来給付される年金額をあらかじめ知ることができます。
シミュレーションはこちらから

Ⅱ 節税対策ができること

民間で加入する個人年金の場合、平成24年1月以降に契約したものであれば、年額で最大4万円までしか所得控除されませんが、国民年金基金の場合は支払った掛け金は全額所得控除の対象となります。
したがって所得税・住民税が軽減され節税になるのです。
また国民年金基金から受け取る年金は、雑所得の公的年金控除が適用されます。
民間の保険会社の年金を使用した場合には、同じ雑所得ですが公的年金等控除は受けられません。
さらに年金受給前または保証期間内に、万一死亡した場合は、加入タイプによってはご家族に一時金が支払われます(一時金は非課税です)。

5.加入によるデメリット

デメリットは大きく分けて2つあります。

Ⅰ 物価スライド制に対応していないこと

将来の受取額が確定しているため、もし受給までに物価が上昇した場合インフレになり実質的な年金額が下がってしまいます。
逆にデフレになれば実質的な年金額は上がることになります。

Ⅱ 自己都合での脱退は基本的にできないこと

転職して第1号被保険者でなくなった等で加入資格を喪失したときは脱退できますが、その時点までの掛金を途中で引き出すことはできません。
そのまま年金として将来支給されます。

6.iDeCoとの違いは?

税制優遇も老後資金が増やせることも似ている2つの制度ですが、なにが違うのでしょうか?

それは最終的にいくらもらえるのかが決まっているかどうかです。
iDeCoは運用先を自分で決めるため、選択によって資金が増えるのも減るのも自己責任です。
一方で国民年金基金は申し込んだ時点でもらえる年金額がわかります。
しかしデメリットで紹介したとおりインフレで貨幣価値が下がるリスクもあります。

国民年金基金とiDeCoは併用可能で、掛金上限が合わせて68,000円となっています。
国民年金基金は途中脱退ができませんが、iDeCoは条件によっては脱退や一時休止ができるので、ひとつに絞れない方は両方を利用してみるのもありかもしれません。

自分に合ったほうで老後の資金準備を進めましょう。

iDeCoについての記事はこちら

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