コロナ禍で従業員エンゲージメント低下は必至 流動化を見据えた「タグ付け人脈資産」が有効

コロナ禍で従業員エンゲージメント低下は必至 流動化を見据えた「タグ付け人脈資産」が有効

新型コロナ禍でテレワークが普及。それに伴い残業時間が減り、結果として収入も落ちている。厚労省の調査よれば、所定内給与が前年同月比0.1%減(244,547円)であるのに対し、所定外給与は14.0%と大幅に減少した(16,617円)。そうなると、副収入を求める動きが活発化するのは必然。MMD研究所が実施した調査によれば、半数以上が副業に関心を持っており、すでに副業をしている人の16.2%が緊急事態宣言発令後に副業を開始。これらの事実は、従業員の組織に対するエンゲージメントの低下が避けられないことを意味している。

もちろん、エンゲージメント向上策を打つのは重要。しかし、所定外とはいえ給与を下げたうえで、会社への貢献度を深めてくれと要求するのは図々しい。むしろ、終身雇用制と年功序列賃金によって担保されていた旧来のエンゲージメントは特殊だったと考えるべき。

あらかじめ職務内容を定めて成果で評価するジョブ型雇用が増えているのもその表れであり、雇用の流動性が高まる前提の人事戦略を構築したほうが建設的だ。では、どのような戦略が有効か。ヒントとなるのは、シリコンバレーで広がっているプロジェクトごとのチーム編成だ。世界中の人材とネットワークを築き、案件に適した人材へ声をかけて都度アライアンスを組むスタイル。雑誌や書籍などの編集現場やイベントの企画・運営などでも同じ手法が採用されているが、それをよりシステマティックに実施すれば幅広いニーズに応えられる。

そうしたチーム編成を有機的に行うには、人脈をデータベース化して組織内で共有・可視化しなければならない。名刺レベルの情報ではなく「何に強いか」「どんな実績があるか」といったタグ付けをスレば、より価値が高くなる。今や名刺のデータベース化は常識となりつつあるが、一歩踏み込んで深みのあるデータに仕上げれば、サステナブルな人脈資産としてビジネス創出にも役立つだろう

消費税率引上げ等の影響を調査
33%の事業者が売上減少と回答

相日本商工会議所が会員企業を対象に実施した「中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査」結果(有効回答数3850社)によると、昨年10月の消費税率引上げ後の売上について60.7%の事業者は不変としたものの、約3分の1に当たる33.1%の事業者は売上減少と回答した。
さらに、今年に入ってからの新型コロナウイルス感染症の発生・拡大・蔓延により83.7%の事業者は売上減少と回答している。

この消費税引上げと新型コロナウイルス感染症のダブルパンチの影響で今後も売上の大幅減少が続くとみている事業者は70.9%と約7割にも及んでいる。取引形態別でみると、BtoC事業者のほうが、消費税率引上げや新型コロナウイルス感染症の影響をより強く受けている。特に、消費税率引上げ後に売上が減少したと回答した事業者の割合は、BtoB(26.2%)よりもBtoC(36.6%)のほうが10ポイント以上多い。

2023年からスタートする「インボイス制度」の導入への準備状況・導入後の対応予定等については、「請求書等発行や経理・受発注等に係るシステムの入替・回収等を行っている」事業者は5.5%に過ぎず、65.8%の事業者がインボイス制度導入に向けて「特段の準備を行っていない」と回答。特に売上高1千万円以下の事業者ではその割合は77.2%と約8割に達するなど小規模事業者ほど準備が進んでいないことが明らかになった。

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