働き方改革関連法施行から5年厚労省が総点検の調査結果を公表

厚生労働省はこのほど、「働き方改革関連法施行後5年の総点検」の調査結果を公表した。この調査は、
働き方改革関連法の施行から5年が経過したことを受けて「総点検」を行い、今後の労働基準法制の見
直しに向けた検討材料を集めることを目的としたもの。

調査では、自身の労働時間について「このままでよい」と回答した労働者が約59.5パーセントで半数以上を占めており、多くの人が仕事量やプライベートとのバランスに不満がないと考えていることがわかる。次いで「減らしたい」が約30.0パーセント、「増やしたい」が約10.5パーセントだった。労働時間を増やしたい理由は、「たくさん稼ぎたいから」が41.6パーセントと最も多く、次いで「自分のペースで仕事をしたいから」が19.7パーセント、「所定労働時間以外の労働分の収入がないと家計が厳しいから」が15.6パーセントと、収入面に関する声が目立った。

企業に対するヒアリング調査では、現状の労働時間について「現状のままがいい」と回答した企業が327社中201社に上った。その理由として、業務量とのバランスや労働者の健康確保、人材定着の観点が挙げられている。労働時間を「減らしたい」と回答した企業は73社で、人材確保や人件費抑制が主な理由だった。一方で「増やしたい」と答えた企業は53社あり、業務の性質や受注確保、労働者の希望、人手不足などが背景にあることが確認された。

25年勤労統計、名目賃金は2.3%増
物価高と残業代で実質賃金はマイナス

厚生労働省が公表した2025年分の毎月勤労統計調査結果によると、事業所規模5人以上の労働者一人当たりにおける名目賃金(現金給与総額)は月額平均35万5941円で、前年比2.3%増加。就業形態別でも、一般労働者が2.9%増、パートタイム労働者が2.3%増とともに順調な伸びを見せている。

内訳を見ると、基本給にあたる所定内給与が2.0%増、ボーナスなどの特別給与が3.8%増と本質的な賃上げが進む一方、所定外労働時間は月平均9.8時間にとどまり、前年比2.5%と大幅に減少。ワークライフバランスの観点からは歓迎すべき動きだが、同時に労働者にとっては残業代の減少を意味している。基本給のベースアップ等による賃上げ効果を一部相殺し、現金給与総額全体の伸びを抑える一因となっている可能性がある。一方、残業をして稼ぐという依存体質から脱却し、基本給や賞与によって報われる健全な賃金体系へとシフトする過渡期にあることも示唆している。

また、総実労働時間が月平均135.1時間(1.4%減)と短縮しながら給与水準が引き上げられている点は、時間当たりの労働生産性向上の明確な兆しと言える。一方で、構造変化が、現時点では労働者の豊かな生活に直結していないという厳しい現実がある。名目賃金は上がったものの、消費者物価指数が前年比3.7%と大きく上昇した結果、実質賃金は1.3%減に落ち込んだ。残業代の減少による手取りの目減りと物価高騰が重なり、家計の購買力はむしろ低下しているのが実態だ。

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