中小企業 約8割が給与引き上げ、55%が人手不足も前年より2.7%改善

日本政策金融公庫はこのほど「中小企業の雇用・賃金に関する調査」結果を公表した。これによると、
2025年12月時点で正社員の給与水準を前年より引き上げた中小企業の割合は78.4%に達した(前回調査
比+3.2ポイント)。

企業が給与水準を引き上げた主な背景は、「最低賃金の動向」を理由に挙げた割合が30.5%で最も高く、「物価の上昇」が24.8%と続いた。昨年10月に実施された最低賃金の引き上げ、物価高による実質賃金の目減りを防ぐための対応などに、多くの中小企業が追われている実情が見える。

また、正社員が「不足」していると回答した企業の割合は55.0%で、依然として過半数の企業が人手不足に悩まされている。ただし、この不足感は前回調査の57.7%から2.7ポイント低下しており、わずかながら改善の兆しも見られた。業種別に見ると、倉庫業や運送業、情報通信業といった分野で特に「不足」の割合が高くなっており、これらの業界における労働力確保の難しさが際立っている。一方で、正社員数が前年から「増加」した企業の割合は25.6%で、前回調査から2.0ポイント上昇。業種別では、人手不足感が強かった情報通信業や運送業、さらに水運業などで正社員が増加した割合が高くなっている。これらのデータから、深刻な人手不足に直面している業種ほど、賃上げなどの待遇改善を通じて人材の確保に積極的に動き、実際に人員を増やそうと努力している企業の姿が読み取れる。

法務省 第4の遺言方式を創設へ
「保管証書遺言」の新設を提言

法務省の法制審議会はこのほど「民法(遺言関係)等の改正に関する要綱案」を取りまとめた。これは、デジタル社会の進展に対応し、民法制定以来続いてきた「紙と印鑑」中心の遺言実務を抜本的に見直すもの。審議会は、この要項の中で、遺言の新たな方式として「保管証書遺言」の新設を提言している。

「保管証書遺言」とは、パソコンやスマートフォン等を用いて作成したデジタルデータを、正式な遺言書として認める制度。従来の自筆証書遺言では全文の手書きが必須だったが、新方式ではデジタル入力が可能となる。ただし、真正性を担保するため、手続きは厳格だ。作成したデータには電子署名等を施した上で、法務局の「遺言書保管官」の面前で、遺言者がその全文を読み上げる「口述」を行わなければならない。この手続きには、ウェブ会議システム等を用いて、映像と音声により保管官と対面する方法も認められる。

また、「自筆証書遺言」についても大きな変更が加えられる。全文、日付及び氏名を自書すれば、実印等の押印がなくとも有効な遺言として扱われることとなり、無効トラブルの原因ともなっていた押印要件が廃止される。さらに、死期が迫っている「死亡危急時遺言」等においては、従来の証人による筆記に代わり、「録音及び録画を同時に行う方法」、すなわちビデオ撮影による遺言が解禁される。この場合も、ウェブ会議を通じて証人を立ち会わせることが可能となる。

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