
帝国データバンクはこのほど「日銀の追加利上げが企業に与える影響度調査」の結果を公表した。この調査は、2024年11月から2025年11月までに決算を迎えた全国約10万社の財務データをもとに、借入金利の上昇が支払利息や経常利益に及ぼす影響を分析したもの。調査結果によると、2024年度の企業の平均借入金利は1.20%となり、4年ぶりに1%台へ到達した。上昇幅は2006年度の調査開始以降で最大で、「金利ある世界」への転換が着実に進んでいる。
また、借入金利が0.25%上昇(0.5%→0.75%)した場合、1社あたりの年間支払利息負担は平均で64万円増加、経常利益を2.0%押し下げ、これにより対象企業の約1700社(1.6%)が新たに赤字へ転落する可能性があることが試算された。政策金利が1.00%に達した場合は、赤字転落企業は3.3%まで拡大する見通しだ。
業種別に見ると、不動産業が経常利益を5.1%押し下げられるなど最も大きな影響を受ける一方、建設業は1.3%減にとどまり、耐性に差が見られる。前回調査と比較すると、赤字転落企業の割合や経常利益の下押し効果は低下しており、利上げによる企業への影響度は減少傾向にある。具体的には、0.25%の利上げで赤字転落する企業の割合は前回調査から0.20ポイント低下した。これは、コスト高を背景とした価格転嫁が進んだことで、企業の収益力が改善しつつあることが背景にある。
所得税追徴税額1,431億円で過去最高
富裕層1件あたりの追徴額は855万円
国税庁はこのほど「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」を公表した。これによると、所得税の調査等による追徴税額の総額は1,431億円と過去最高を記録した。実地調査と簡易な接触を合わせた所得税の調査件数は、前事務年度の60万5千件から大幅に増加、73万6千件に達している。そのうち申告漏れ等の非違があった件数は36万9千件で、実地調査1件当たりの追徴税額は前年の224万円を上回る241万円だった。個人事業者の消費税調査も、簡易な接触を幅広く活用したことで調査件数が前年比約1.5倍の18万5千件に急増し、追徴税額は421億円に上っている。
近年は資産運用の多様化・国際化が進む富裕層への対応が強化されており、富裕層に対する調査1件当たりの所得税の追徴税額は855万円と、実地調査全体の平均である299万円の約2.9倍に達した。海外投資等を行う富裕層に限定すると、1件当たりの追徴税額は1,595万円と全体の5.3倍に及び、申告漏れ所得金額の総額は837億円、追徴税額の総額は207億円となっている。
また、暗号資産等取引への調査1件当たりの追徴税額は745万円で、一般平均の約2.5倍だった。公平な納税を損なう無申告者への調査も厳格に行われており、所得税無申告者に対する追徴税額の総額は252億円、1件当たりの追徴税額は524万円と共に過去最高を更新している。消費税無申告者も、1件当たりの追徴税額は296万円と過去最高となった。









