
| 11月21日に「『強い経済』を実現する総合経済対策」が閣議決定された。 今回の対策は物価高への対応、危機管理投資・成長投資、そして防衛力と外交力の強化を3本柱としており、中小企業経営に直結する項目も数多く盛り込まれている。 まず、物価高が続く中で地域の実情に応じた支援を行うため、「重点支援地方交付金」が大幅に拡充される。具体的には、公共調達における価格転嫁の円滑化や、最低賃金上昇・光熱費高騰を価格に適切に反映できる環境整備を進める。 エネルギー関連では、電気・ガス料金の負担軽減が冬季を中心に実施され、ガソリン・軽油については暫定税率廃止と同水準まで補助金が引き上げられる。 さらに、賃上げの定着に向け、中小企業の稼ぐ力を強化するための生産性向上投資・省力化投資の支援が強化される。 「業務改善助成金」による最大600万円の支援、設備投資を後押しする新たな投資促進策、事業承継・M&A支援など、構造的な改善を促す施策が並ぶ。 加えて、AI・半導体をはじめとする戦略分野への官民投資を拡大し、生産性向上や労働時間削減を通じて賃金改善につなげる取組を進める。 本対策は、物価高・人手不足・賃上げという三重の課題に直面する中小企業の現実に対応し、地域経済を底支えする内容。 政府は「責任ある積極財政」のもと、賃上げと投資の好循環をつくる方針で、その効果が現場にどこまで届くかが今後の焦点だ。 |
事業承継の構造変化が加速
内部昇格が同族承継を上回る
| 帝国データバンクはこのほど、全国「後継者不在率」動向調査(2025年)の結果を公表した。 これによると、2025年の後継者不在率は50.1%と前年から2.0ポイント低下し、7年連続で改善した。官民の相談窓口が整備されたことや、さまざまな支援策の拡充が浸透し、事業承継への意識が高まったことが背景にある。 しかし、企業規模による差は依然大きく、中小企業では51.2%、小規模企業では57.3%と高水準が続く。都道府県別では三重県が33.9%で最も低く、秋田県が73.7%で唯一70%台に達した。若年層の流出や非親族承継への抵抗感が影響したとされる。 業種別では、調査開始以来初めて全業種が60%未満となり、建設業(57.3%)が最も高く、製造業(42.4%)が最も低かった。 サプライチェーン維持の観点から製造業への支援が進んだことも改善要因の一つとみられる。 また、2025年の代表者交代では内部昇格(36.1%)が同族承継(32.3%)を初めて上回り、事業承継の「脱ファミリー化」が加速している。 後継者候補の属性でも非同族が41.0%に達し、親族外承継が広がりつつある。 一方、地方では「店じまい」を選択するケースや承継計画を白紙に戻すケースもみられ、地域・企業による二極化が進行している。 今後は承継ステージごとの支援体制強化がより重要になるだろう。 |









