経産省2024年度消費者相談報告         ネット通販の定期購入トラブルが増加

経済産業省はこのほど、2024年度(令和6年度)の「消費者相談報告書」を公表した。

同報告書によると、経済産業省消費者相談室が受け付けた消費者相談件数は合計7,020件に上り、前年度比で2.3%減少した。

最も多くの相談が寄せられたのは「特定商取引法関係」で、全体の約7割近くを占める4,746件だった。このうち「通信販売」に関する相談は1,428件と前年度比16.1%増加し、特にインターネットを利用した「定期購入」に関するトラブルが目立った。

具体的には「初回限定と記載があったのに自動的に定期購入に切り替わっていた」や「特典利用で定期購入契約の申込みになっていた」といった、消費者が意図せず定期購入契約を結んでしまう事例や、解約を巡るトラブルが300件に上るなど、多数報告されている。

また、「訪問販売」の相談は1,452件で最も件数が多かったが前年度からは5.6%減少した。

しかし、工事や住宅設備、特に冷暖房給湯設備・機器に関する相談が増加しており、大手ガス会社を装った事業者による給湯器交換契約のトラブル事例も具体的に挙げられている。

注目すべきは、「個人情報関係」の相談が23件と前年度比155.6%の大幅な増加を記録した点。

相談のほとんどが個人情報の目的外利用など、管理に関する懸念を示すものだった。

相談者の年代別では、判明している約3割の相談者のうち、50歳代からの相談が最も多く(25.1%)、次いで60歳代(20.4%)、70歳代以上(18.4%)が続いている。

 

 

下請改正法、令和8年1月実施へ         価格転嫁と公正取引の実施を目指す

 

下請代金支払遅延等防止法および下請中小企業振興法の改正法が成立し、令和8年1月1日に施行される。

改正の背景には、労務費や原材料費、エネルギーコストの急激な上昇を、中小企業が十分に価格転嫁できない状況が続いてきたことがある。

政府は今回の改正を通じて、発注者と受注者が対等な立場で協議を行い、サプライチェーン全体で公正な価格決定を行える環境を整備する狙いだ。

改正の柱は大きく三点。

第一に、協議を経ずに一方的に代金を決める行為を禁止し、必要な説明や情報提供を義務づけることで、価格据え置き的な慣行を是正する。

第二に、手形払いが全面的に禁止され、現金化が困難な支払手段も認められなくなる。

これにより中小企業の資金繰りリスクが大幅に軽減される見通しだ。

第三に、製造や販売に不可欠な運送の委託が新たに規制対象に加わり、物流コスト増への対応が制度面からも支えられる。

また、従業員数の基準が見直され、300人規模(役務委託は100人)までの事業者が保護対象となるなど、適用範囲も拡大する。

さらに、法体系の用語も整理され、「下請事業者」は「中小受託事業者」、「親事業者」は「委託事業者」と改められ、法律名も変更される。

こうした一連の改正は、構造的な価格転嫁を定着させ、中小企業が持続的に成長できる環境を築くための重要な一歩と位置づけられている。

 

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