
生成AI利活用の民事責任を議論
経産省が研究会を立ち上げ
経済産業省は、AIによる権利侵害や事故発生時の責任をめぐり、民事責任の在り方を検討する研究会を立ち上げた。
AIの普及により利便性が飛躍的に高まる中、万一の事故や権利侵害に際して誰がどのような責任を負うのか不明確では、開発や利用の萎縮効果を招きかねない。
研究会では、不法行為法や製造物責任法をどのようにAI特有の課題に適用するかを中心に議論し、関係者が参照できる準則の策定を目指す。
議論の出発点として示されたのは、AIを業務判断の補助に用いた場合の具体的な想定事例だ。
例えば、法律特化型AIが誤った裁判例を提示した結果、依頼者が損害を被ったケースなど。
こうした事例を通じて、利用者、提供者、開発者のいずれにどのような注意義務や責任が生じるかを整理することが狙いだ。
基本的にAIは補助ツールであり、最終的な判断責任は利用者にあるとする考えが前提だが、例外的に提供者の説明義務違反や設計上の過失が責任を問われる場面も想定される。
また、複数の事業者が関与するバリューチェーンの中で、どこまで責任を負うのかも重要な論点。
基盤モデルの提供者、サービス開発者、利用者それぞれの役割を踏まえ、AIの限界やリスクを適切に説明・共有することが求められる。
経産省は、こうした議論を通じて予測可能性を高め、迅速な事故処理や被害回復を可能にする制度設計につなげたい考えだ。
在職中の学びを支援する新制度
教育訓練休暇給付金が10月1日開始
10月1日より教育訓練休暇給付金制度がスタートする。
これは、労働者が自発的に教育訓練に専念するため無給の休暇を取得した際、生活を支える給付制度。
従来から離職者に対する基本手当などの支援はあったが、在職中に学びのために休暇を取る仕組みは整っていなかった。
制度創設により、雇用保険の被保険者であれば一定の要件を満たすことで基本手当に相当する額を受給できる。
具体的には、被保険者期間が5年以上あることが前提で、支給日数は90日、120日、150日のいずれか。
支給額は離職時に受け取る基本手当と同水準で、生活費を確保しながら安心して学習に取り組める点が特徴だ。
対象となる教育訓練は、大学や専門学校、厚生労働省が指定する講座を含み、職業に直結する内容に限定される。
また、休暇の取得は労働協約や就業規則に基づき、事業主の承認を得る必要がある。
手続きはハローワークを通じて行われ、原則として30日ごとに受講状況の認定を受ける。
さらに、分割取得も可能だが、一つの訓練は30日以上の期間が求められる。
なお、制度利用によって休暇開始前の被保険者期間が基本手当の受給資格から除外される点には注意が必要だが、倒産や解雇といったやむを得ない理由による離職の場合は特例が設けられている。
今回の制度は、働きながらリスキリングやキャリアチェンジを目指す人々にとって大きな後押しとなるものであり、企業にとっても人材の能力開発を促進する契機となることが期待されている









