社労士がズバッ!【退職願の撤回に応じる必要はありますか?】

<質問>

勤務成績が優秀な従業員Aから突然3カ月後の期日を指定した退職願が提出され、遺留したものの退職の意志は固く受理しました。

その後、欠員補充の求人を行い、応募者に採用内定をした日にAから退職撤回の申し出がありました。

「退職日前なので撤回したい」と言うのですが、応じる必要があるのでしょうか?

<回答>

結論から言えば応じる必要はありません。

退職願の提出とは法律上、労働者側からの労働契約の合意解約の申し込みと解釈され、使用者がこれを受理し承諾したことにより合意解約の効力が生じます。従って一度、受理した退職願について、本人から撤回の申し出があったとしても、応じなければならないことはありません。

過去の最高裁の判例でも、退職願を人事部長が受理したことにより、合意解約の承諾がなされたものと判断して、受理後の撤回が許されないと判断したものもあります。

ただし従業員Aの退職願の提出と、その後の撤回理由を詳しく聞き取り、退職願の撤回を認める決定をするのも貴社の選択肢のひとつだと思います。

とはいえ貴社内で退職願が簡単に撤回できるという前例を作ることになってはいけないため、その点について細心の注意が必要となります。

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