時間外の上限規制の猶予

パズルの最後の一片のイラスト

【社労士がズバッ!職場のQ&A】
時間外の上限規制の猶予について教えてください


<質問>

当社は貨物の運送会社で運転手20名と営業職1名、事務職の2名で営業しております。毎年、時間外・休日労働に関する協定(36協定)の更新は7月1日に行っていますが先日、同業のA社長から「運送業は時間外の上限規制の猶予事業だから」と言われました。上限規制の猶予とはどういう意味でしょうか?


<回答>

従来「36協定」で定める時間外労働時間には限度に関する基準(限度基準)が示されており、その上限が月45時間、年360時間でした。この限度基準の上限を超えることがあっても罰則はなく、また特定した期間についての特別条項を設けることで上限はない状態でした。これが2019年から大企業で、2020年4月1日からは中小企業でも法律上の上限が決められ、違反すると罰則が科されることになりました。これを上限規制といいます。ただし、いくつかの事業または業務については適用が猶予されています。なお運送業に関しては「自動車運転の業務」だけが猶予の対象ですから、A社長の話は少し違います。同じ会社であっても営業職や事務職は猶予の対象とはなりません。猶予を受ける運転手用と猶予対象外のその他の職種用の2通の協定届を作成するとよいでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
コメントは利用できません。

どんなことでもお気軽にご相談ください

お問い合わせ