
下請法・振興法が大幅改正
価格交渉を拒めない時代へ下請法・振興法が大幅改正 |
価格交渉を拒めない時代へ 下請法・振興法が大幅改正 「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」が成立した。 本改正は、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁を定着させ、中小企業が持続的に賃上げを実現できる環境を整備するために行われたもの。 本改正では、価格決定の際に協議を行わず一方的に決定する行為を新たに禁止対象とした。これにより、中小受託事業者が正当な価格転嫁を主張できる法的基盤が整備される。 また、手形払いや一部の電子記録債権等、実質的に代金回収が遅れる支払手段が禁止され、現金受領の早期化が図られる。 さらに、発荷主から運送事業者への物品運送委託も新たに規制対象に追加され、物流分野における不公正な取引慣行にも対応する。 加えて、従来は資本金を基準としていた適用範囲に、従業員数による基準も導入され、実態として規模が大きいにも関わらず規制を免れていた企業にも網がかけられるようになった。 執行体制の強化としては、公正取引委員会や中小企業庁に加えて、各事業所管省庁の主務大臣にも指導・助言権限が付与され、報復措置の申告先にも追加されることで、中小企業の申告環境が整備された。 また、用語の見直しにより、「下請」や「親事業者」といった上下関係を示す語が、「中小受託事業者」「委託事業者」へと変更され、取引の対等性を意識した法体系となった。 これらの改正は、令和8年1月1日に全面施行され、一部の規定は公布日から施行される。 |
地域活性と土地政策の展望令和7年版土地白書の概要 |
令和7年版土地白書が閣議決定され、国土交通省のホームページで公表されている。 本白書は土地基本法第11条に基づき、土地に関する動向や政府の施策について国会に報告するもので、地価動向や土地利用の現状が詳細に示されている。 全国の地価は4年連続で上昇しており、三大都市圏では上昇幅が拡大する一方、地方四市では若干縮小する傾向も見られた。 土地取引件数はほぼ横ばいで、不動産投資市場では海外投資家による投資割合が国内全体の約17%で安定している。 また、アンケート調査からは、日常的に利用されていない土地の管理が行き届いていないと感じる人が4割を超え、管理のあり方が今後の課題として浮き彫りになった。 こうした背景のもと、国・地方公共団体が連携し、適正な土地利用や管理の確保に向けた施策を講じており、低未利用地や所有者不明土地への対応、住宅政策、災害に強いまちづくりなど幅広い分野で取り組みが進められている。 特に今回の白書では、地域の資源や特色を活かしながら民間投資を呼び込み、交流拠点や宿泊施設、福祉施設等を整備して地域活性化を図る多様な事例が紹介された。 例えば、福井県敦賀市の新幹線開業を契機とした駅前再開発、北海道北広島市の新球場と周辺施設の整備による年間数百億円規模の経済効果などが挙げられている。 これらの事例は、土地活用が単なる開発にとどまらず、地域コミュニティの形成を重視した持続可能な成長に資するものであることを示している。 |