「DX銘柄」から見えた新・東証一部の方向性 デジタル技術活用よりも重視された評価軸と

「DX銘柄」から見えた新・東証一部の方向性
デジタル技術活用よりも重視された評価軸と

経済産業省と東京証券取引所は、8月下旬に「DX銘柄2020」35社、「DX注目企業2020」21社を発表したが、注目したいのは、その選定方法。

「一次評価」の基準を見ると、直近3年平均の「ROE(自己資本利益率)」のほか、「ビジョン・ビジネスモデル」「戦略」「組織・制度等」「デジタル技術の活用・情報システム」「成果と重要な成果指標の共有」「ガバナンス」の6項目の達成状況などが並ぶ。

いずれも企業を評価するうえで重要な項目だが、選定企業のスコアを見ると、興味深い偏りがある。たとえば「デジタル技術の活用・情報システム」。DXと銘打っているだけに高いレベルが求めらえると思いきや、そうでもない。

頂点に立つ「DXグランプリ」(2社)の1社、小松製作所の達成状況は60%。つまり、デジタル化の達成率が「DX企業」の必須条件ではないことが分かる。

では、高い達成率が求められる項目は何か。最も高いのが「ビジョン・ビジネスモデル」。「DX銘柄2020」のうち、100%未達はわずか4社。次いで高いのは「ガバナンス」(95%)、「戦略」(93%)、「組織・制度等」(93%)。これらをキーワードとして並べてみると、DXの本質が見えてくる。デジタル技術はあくまで手段で、新たなビジネスモデルを創出することが重要なのだ。

新たな東証一部となる「プライム市場」は、事実上従来の一部企業がふるい落とされた構成になることが確実視される。プライム市場のコンセプトは「より高いガバナンス水準」「持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業」など抽象的な表現に終始しているが、投資家の注目を集めるには特徴を明確に打ち出すべきなのは疑いようもない。菅内閣の目玉政策であるデジタル庁と同じように、「DX銘柄」は東証の市場再編のイメージ戦略のひとつとして機能していくだろう。

少額減価償却資産かどうかの例示
判定は耐用年数でなく使用状況等で

中小企業者等が、減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入できる。そのうち、法人が取得した減価償却資産のうち、(1)使用可能期間が1年未満のもの、(2)取得価額が10万円未満のもの、のいずれかに該当するものは、少額の減価償却資産となる。

(1)の「使用可能期間が1年未満のもの」とは、法定耐用年数でみるのではなく、その法人の営む業種において一般的に消耗性のものと認識され、かつ、その法人の平均的な使用状況、補充状況等からみて、その使用可能期間が1年未満であるものをいう。

例えば、テレビ放映用のコマーシャルフィルムは、通常、減価償却資産として資産計上し、法定耐用年数2年で減価償却するが、テレビ放映期間は1年未満であることが一般的だ。したがって、テレビ放映の期間が1年未満のものは、「使用可能期間が1年未満のもの」に該当することになる。

(2)の取得価額が10万円未満のものの取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定する。例えば、応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものだから、1組で10万円未満となるかどうかを判定する。また、カーテンの場合は、1枚で機能するものではなく、一つの部屋で数枚が組み合わされて機能するものだから、部屋ごとにその合計額が10万円未満となるかどうかを判定することになる。

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