新型コロナウイルス で名を挙げたホテル三日月の対応 過去事例から見る災害時マーケティングのあり方とは?

新型コロナウイルス で名を挙げたホテル三日月の対応 過去事例から見る災害時マーケティングのあり方とは?

 新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている。 日本政府は、感染拡大が深刻な中国・湖北省から帰 国希望者を受け入れるため、チャーター機を派遣。 第1便の帰国者の滞在場所を提供したのが、千葉県勝浦市の「勝浦ホテル三日月」。観光を主産業とする 勝浦市民からは批判の声があがり、同市が「ご不安、ご心配をおかけしております」との釈明チラシを市内の全戸に配布したことは印象的だ。

 事の是非はともかく、マーケティングの観点から見ると同ホテルの対応は見事だった。公式サイトで発表した声明では、「同じ日本人として」要請に応えたとし、「本件の受け入れのみならず、これからも地域、日本の繁栄のために邁進していく所存」と 宣言。自社のスタンスを社会・地域との関わりを踏まえたうえで示したことにより、顧客を大切にする姿勢のアピールにつながったといえる。

 一方、今回のような不測の事態におけるマーケティングでは、失敗例も多い。2012年にアメリカ東部を襲い、100人以上の死者を出したハリケーン・サンディの被害者にツイッターで安全を呼びかけたあと、自社店舗での買い物を呼びかけたアパレル大手のGAPがそう。かなりの反感を買ったGAPは、そればかりが原因ではないだろうが右肩下がりに業績を下げ、昨年2月には200店舗の閉鎖を発表。2019年の株価騰落率は米市場小売銘柄で最悪レベルの34%安となった。傘下ブランドを分離して新たな上場会社を設立する事業再編計画を発表していたが、今年1月にその撤回を発表するなど低迷している。

国民負担率は過去最高の 44.6 %に 消費税増税分が年間を通して影響

 財務省は、国民負担率が、2020年度予算では2019年度実績見通しから0.7ポイント増の44.6%と過去最高になるとの見通しを発表した。 国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。2020 年度見通しの内訳は、国税16.4%、地方税10.1%で租税負担率が26.5%、社会保障負担率は18.1%。 2020年度は昨年10月の消費増税分が年間を通して国民負担に影響する。

 2019年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.8ポイント増(国税:0.7ポイント増、地方税:0.1ポイント増)、社会保障負担率は横ばいだったものの、この統計を開始した1970年度以降では3年連続で過去最高の18.1%となっている。

  国民負担率を諸外国( 2017年実績)と比べた場合、アメリカ(34.5%)よりは高いが、フランス(68.2%)、スウェーデン(58.9%)、ドイツ(54.1%)、イギリス(47.7%)よりは低い。

 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2020年度の国民所得(2019年度に比べ7万1千円増の415万2千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から横ばいの5.3%となる見通し。この結果、2020年度の国民負担率に財政赤字を加えた 「潜在的な国民負担率」は、2019年度実績見込みからは0.8ポイント増の49.9%と、かろうじて50%を下回る見込み。

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