三井住友トラストとUBSが資本・業務提携 不動産へシフトする富裕層ビジネスの現在地

三井住友トラストとUBSが資本・業務提携
不動産へシフトする富裕層ビジネスの現在地

三井住友トラストHDと三井住友信託銀行は、スイスの金融大手UBS傘下のUBS証券との資本・業務提携を発表した。UBS証券のウェルス・マネジメント事業を切り出し、今年末までに合弁会社を、2021年中に新たな証券会社を設立する。
 三井住友トラストは、両者の強みを有機的に組み合わせ、富裕層に最適なソリューションを提供する「トータル・ウェルス・マネジメント」を目指すとしている。これを額面通りに受け取れば、富裕層向けビジネスが活況ということになる。だが、三井住友トラストとUBSを取り巻く環境を分析すると、富裕層向けビジネスはむしろ過渡期にあると思わざるを得ない。
三井住友トラストは、2015年に買収した「ダイナース」が大失敗。今年3月期の連結決算で約120億円を減算処理している。一方のUBSは、今年1月に今後の減収見通しを示し、2018年10~12月期に顧客が約1兆4,000億円を引き上げていたことを公表。つまり、両者とも厳しい状況に直面しており、その原因である富裕層向けビジネスを切り離すのが今回の資本・業務提携の目的と捉えられなくもないのだ。ただし、UBSがなぜ三井住友トラストをパートナーに選んだかという点を踏まえれば、不動産投資が持つ可能性を再確認できた意義は大きい。とりわけ、長期金利の低下や不安定な国際情勢を受け、リスク回避先として海外投資家から資金が流入しているJ-REITの動きには注目すべきタイミングではないだろうか。

「法人向け事業承継税制」に注目
拡充で飛躍的な増加が期待される

事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「法人向け事業承継税制」は、2018年度の税制改正で抜本的に拡充された。中小企業庁によると、拡充前は、年間400件程度の申請だったが、拡充後は、足元(本年2月現在)の申請件数は年間6000件に迫る勢いであり、爆発的に伸びている。
今後10年の間に、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万が後継者未定という。こうしたなか、事業承継税制による中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継が期待されている。
2018年度税制改正では、10年間(2018年1月1日から2027年12月31日)の特例措置として、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充が行われた。基本は、2018年4月1日から2023年3月31日までの5年間以内に承継計画を作成して都道府県に提出した会社(「特例認定承継会社」)が、贈与・相続による事業承継を行う場合に適用される。
事業承継税制の抜本拡充の概要は、(1)対象株式数の上限を撤廃し全株式を適用可能にし、納税猶予割合も100%に拡大することで承継時の税負担ゼロになる。(2)親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象にする。(3)承継後年間平均8割以上の雇用維持要件を未達成の場合でも、猶予を継続可能に。(4)売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し、承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免する。

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