乱立するポイントサービスとスマホ決済 KDDIも「au PAY」「au WALLETポイント運用」を開始

カフェでの仕事風景

乱立するポイントサービスとスマホ決済
KDDIも「au PAY」「au WALLETポイント運用」を開始

キャッシュレス化推進や、消費税増税時のポイント還元を検討している政府方針もあり、スマホ決済やポイントサービスは乱立状態だ。専用端末が不要な手軽さで急増中なのがQRコード決済。「100億円あげちゃうキャンペーン」でトップシェアを獲得したPayPayやLINE Pay、d払いとスマホとの親和性が高い企業が次々と参入している。
 このような中、日本の通信三大キャリアでありながら沈黙を保ってきたKDDIが、4月9日にスマホ決済サービス「au PAY」の提供を開始した。
 注目したいのは、同時に資産運用の疑似体験ができる「au WALLETポイント運用」をスタートさせた点だ。グループ会社であるKDDIアセットマネジメントが定供する投資信託の基準価額に連動し保有ポイントが増減する仕組みで、運用ポイント数を決めれば口座開設も不要。ポイントは買い物などに利用可能で、実利も追求できる。
 ポイントサービスは長らくTポイントの一人勝ちだったが、ファミリーマートやヤフーの離脱で失速気味。次の共通ポイントの覇者がどこになるか市場も注目している。その中で、投資体験とポイントを結びつけ、スマホ決済というゴールを設定したKDDIの戦略は理にかなっている。じぶん銀行やau損保のほか、カブドットコム証券を買収し、auフィナンシャルホールディングスを4月に設立したのも見逃せない。流通総額2.5兆円といわれる“au経済圏”を確立し、新たな「スマホ金融」を実現しつつあるKDDIの動きは要注目だ。

事業用小規模宅地特例を見直し
貸付事業用の宅地等も適用除外

「特定事業用宅地等に係る小規模宅地の特例」の適用要件が2年続けて見直された。
この特例は、相続人が事業を継続すること等を要件に、事業用宅地等の相続税の課税価格を8割又は5割減額する制度。2018年度改正では、一定要件を満たす「家なき子特例」とともに、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等が対象から除外された。さらに2019年度改正では、特定事業用宅地等の範囲から「相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等」が除外されることになり、2019年4月1日以後に相続・遺贈により取得する宅地等の相続税から適用されている。これにより、貸付事業用の小規模宅地等特例の例にならい、節税目的の駆込み的な適用が不可能となった。
ただし、上記のような宅地に該当する場合であっても、①「その宅地で事業の用に供されている減価償却資産の価額」が「その宅地等の価額」の15%以上であり、②事業を行っていた被相続人等の事業の用に供されたものである場合――に限り、従来と変わらず特例の適用対象とされた。
なお、一連の改正の背景には、会計検査院の実態調査により、特例を適用した納税者のうち、相続発生から短期間で宅地等を譲渡していた者が多数いたことが明らかになったことがある。この調査を受けて会計検査院は、「事業や居住の継続への配慮という政策目的に沿ったものとなっていない」と指摘していた。

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