確定申告をしよう~2019年住宅ローン控除~

1.住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる制度の通称です。新しく住居を購入する際や、省エネやバリアフリーなどの特定の改修工事を行う場合などに、年末のローン残高に応じて税金が戻ってくる制度のことをいいます。

住宅ローン控除では、一定期間の間において、ローン残高に応じた金額が所得税から差し引かれ、還付されます。 控除を受けるにはさまざまな条件がありますが、制度を利用することで10年間はローン残高の1%にあたる税金が還付されます。

住宅購入は人生の買い物の中でも金額が大きいことから、一定期間の控除を受けることができる住宅ローン控除は魅力的な制度といえるでしょう。

2.住宅ローン控除を受けられる人

Ⅰ新築住宅の場合

  • 新築または取得日から6か月以内に入居している
  • 借入した人の合計所得金額が3,000万円以下である
  • ローンの返済期間が10年以上である
  • 登記簿に登録されている床面積が50㎡以上ある
  • 床面積の1/2以上が自分の居住用である

Ⅱ中古住宅(新築条件に加えて)

  • マンションなどの耐火建築物は、取得の時点で築25年以内である
  • 耐火建築物以外は取得の時点で築20年以内である、または一定の耐震基準をクリアしている
  • 生計を一にする親族などからの購入ではない
  • 贈与された住宅ではない

Ⅲ増築・リフォーム (新築条件に加えて)

  • 自分で所有し、居住する住宅のリフォームである
  • 一定の省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォーム、または大規模な間取り変更や修繕などである
  • 工事費用が100万円超
  • 店舗併用住宅等の場合、居住用部分のリフォーム費用が1/2以上である

近年では、中古住宅を購入しリノベーションする事例も増えていますが、控除を受けたい場合は、築後年数については事前にしっかりと確認するようにしましょう。また、入居した年の前後2年間ずつの間で、居住用財産を譲渡した場合の「長期譲渡所得の課税特例」の適用を受けている場合は、控除の適用外となりますので注意しましょう。中古住宅、増築・リフォームの場合であっても新築と同様床面積は50㎡以上であることが条件になっています。

3.確定申告をするために必要な書類

  • 確定申告書
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 
  • 源泉徴収票
  • 金融機関等からの住宅ローンの借入金残高明細書
  • 法務局または不動産会社から土地、建物の登記簿謄本を入手
  • 売買契約書または建築請負契約書
  • マイナンバーが記載されている本人確認書類
  • その他認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、一定の耐震基準を満たす中古住宅は、それぞれを証明する書類のコピー

4.確定申告書への書き方

確定申告書は「計算明細書」⇒「申告書第二表」⇒「申告書第一表」の順に記入するのがおすすめです。その際「控除証明書の要否」の欄へチェックを付けておけば、確定申告をした年の10月頃に勤務先へ提出する「住宅借入金等特別控除申告書」がローン返済期間分の計9回分、まとめて送られてきます。この書類は2年目以降、年末調整で必要になってきますので大切に保管しましょう

5.2年目以降

購入した初年度に確定申告をして住宅ローン控除の適用を受けると、会社員等の給与所得者は2年目以降は年末調整で手続きができるようになります。個人事業主などの場合は確定申告の時と同様の書類に記載をして「住宅ローンの年末残高証明書」を添付して提出します。

6.平成31年度税制改正による変更点

令和元年10月1日の消費税増税への対策として、住宅ローン控除に拡充措置が取られることとなりました。大きな変更点は控除期間が10年間⇒13年間へ3年間延長されたことです。

この変更が適用されるのは2019年10月1日~2020年12月31日までの間に、消費税率10%の住宅を取得し、取得年の12月末までに自己の居住用に供した場合で、消費税引き上げ2%相当額を11年目~13年目の3年間で控除できる特例です。

1年目~10年目までは住宅借入金年末残高×1%が控除されるのに対し、11年目~13年目は次のいずれかを選択します。
 ① 住宅借入金年末残高×1%
 ② 税抜き住宅取得価額×2%÷3

そのほかにもすまい給付金の給付額の引き上げや贈与税の非課税枠が拡充されるなど、消費税増税後の住宅購入を総合的に支援する制度が整っているので、賢く利用しましょう。

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